プロローグ
何の前触れもなく、事故に日常を奪われた少女がいた。
何の前触れもなく、病に日常を奪われた少女がいた。
1人はより多くの幸福を選んで自分を守ろうとした。
1人はより少ない苦痛を選んで自分を守ろうとした。
対をなす2人の少女たち。
偶然、同じ病院で日々をすごし、
偶然、同じ担当医を持ち、
偶然、同じ看護婦と親しくなり、
偶然、同じ想いを抱いていた。
12月24日、クリスマス・イヴ。
多くの人々に幸福をもたらすその日付は、しかし2人に気付かないまま過ぎていく。
毎年繰り返される祝福の日。
その平等性に疑いようはなく、ただ違うのは、2人の居場所だけ。
そして2人は偶然にも、全く同じ計画を企てていた―――
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